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オーガニック・コットン・シンポジウム

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2007年9月7日(金)に六本木ヒルズにて開催したシンポジウムの詳細レポートです。

オープニング

司会:

本日は「Wear Organic! - オーガニックを着よう!」キャンペーンのキックオフイベント、「オーガニック・コットン・シンポジウム」にご来場いただきありがとうございます。

このキャンペーンでは、オーガニック・コットン(以下、OC)を広めようとこれまで別々に活動して来た会社が、1年かけてもっとOCを一般の方に広めようと活動したり、企業などに働きかけていきます。

このシンポジウムは、キャンペーンの呼びかけ人であるピープル・ツリー(以下、PT)とアバンティのほか、OCを含めた環境にやさしいアウトドア用品を展開している、パタゴニアからもご出席いただき、OC製品をどうやって広めていくかを伝える場にしたいと思います。

また、本日はインドの小規模農家を支援する「アグロセル」という団体から、ハシュムクさんをお招きしています。

まずは、なぜOCが必要なのかという背景について、生産者の声を代表して、インドのOC農家の現状をハシュムクさんにお話いただきます。

農家に対するアグロセルの支援、そしてバイヤーとして支えるPTの活動について、代表・サフィア・ミニーとハシュムクさんのダイアローグ形式でお伝えします。

2007年9月7日六本木ヒルズの会場にて

ダイアローグセッション

インドからの現状報告とピープル・ツリーの挑戦
 サフィア・ミニー,ピープル・ツリー/グローバル・ヴィレッジ代表,ハシュムク・パテル,アグロセル(インド、オーガニック・コットン生産者組合)代表
オーガニック・コットン畑の鳥の巣
サフィア: 今日はインド、グジャラートからはるばる日本へいらしていただき、ありがとうございました。
ハシュムク: 私からもお礼を申し上げます。日本のみなさんへ、フェアトレードでオーガニックの コットンについて伝える機会をいただき、感謝しています。
サフィア: 日本はOCの市場として世界3番目だそうです。どう思います?
ハシュムク: 日本が1番になってくれるといいですね。
サフィア: オーガニック食品と違い、コットンは食べるものではありません。コットンがオーガニックである必要性はどこにあるのでしょう?
ハシュムク: 通常のコットン栽培は大量の農薬・殺虫剤・水を使います。土壌が汚染され、危険物質が放出されます。 OCの場合は土地の健康が守られ、土壌が豊かになります。持続可能な農法のため、環境にもいいのです。
なぜオーガニックコットン?インドで6年間で10万人の農民が自殺 サフィア: もうひとつ、環境だけでなく人権の問題もあります。インドでは10万人の農民がこの6年間で自殺していますが、それはなぜですか?
ハシュムク: 知識の不足がひとつの理由です。農薬・化学肥料に対する知識が無く、それらを大量に散布します。しかし長く散布しつづけると虫は農薬に対する耐性をつけ、引き続き被害を及ぼします。作物が育たなくても、農薬を購入した借金は残ってしまいます。作物による収入がないと借金は返せません。それを苦に自殺するのです。
サフィア: アメリカの自国のコットン農家へ対する補助金は30億ドルといわれています。これがコットンの国際市場価格を25%も下げています。それでは人件費がどんなに安くても、コストをカバーできなくなりますね。
ハシュムク: そのとおりです。オーガニック農法に変えると、農民はハーブなどの自然の原料を使い、自分で肥料をつくります。化学肥料を買わなくてすみ、借金をしなくてよくなります。オーガニック農法をつづけていくうちに、作物の品質が上がり、コストは下がるので競争力をつけることができるのです。
サフィア: また、私たちは途上国の農民を圧迫する状況を変えるため、消費者の方と共に、貿易問題に対してWTO(世界貿易機関)などでのロビー活動やIFAT(国際フェアトレード連盟)での活動を通してフェアトレードを盛り上げたり、OC製品を買う量をふやし、農家を応援していくことができます。

その場合、長期的なパートナーシップが必要となります。たとえば、私たちがアグロセルに注文を出す際には、製品を売り始める18ヶ月前に買う量を伝えています。他の大手の会社も同じように長期的な契約をしていますか?
ハシュムク: そうです。私たちは各農家に対し、技術支援、オーガニック認証を取るためのインフラ整備や文書づくりの支援をしています。また、アグロセルのフィールド・オフィサーによる品質管理のアドバイスなども行っています。このような活動は、長期的な視野に基づいた活動です。

これからもっとたくさんの小規模農家を支援するために、長期的な関係を築ける、PTのようなバイヤーを増やしたいと考えています。そのために市場を広げるマーケティング活動はとても重要だと考えています。大手の例として、2年前からイギリスの大手スーパーチェーン、マークス&スペンサーとフェアトレード・コットンの取り引きをはじめています。
サフィア: 変化の早いファッション業界にいる大手企業でも、長期的なパートナーシップを築く姿勢があれば、OCを普及するために歓迎するということですね?他に直面している課題はありますか?
ハシュムク: 課題はたくさんあります。その一つが農家の教育不足なので、教育の支援活動もしています。また、貧しい小規模農家が多いので、アグロセルから低金利の融資事業も行っています。

もうひとつ大きな課題はGM(遺伝子組換) 種子の問題です。多国籍企業が多く販売していますが、GM種子を使うとOC認証が取れなくなるので、伝統的品種を使うよう努力し、消費者が求めるクオリティのものを生産できるよう努力しています。
サフィア: GM種子の問題のひとつは、花粉が地元産の遺伝子組換ではないコットンまで汚染すること。そうなると種子が取れず一代で絶えるコットンになってしまうため、毎年種子を多国籍のアグリビジネスから買わなくてはならなくなり、借金がかさみます。そうした事態を避けるため、アグロセルは伝統的な種子を守る種子バンクをつくると聞いていますが。
ハシュムク: オーガニック&フェアトレード・パークというプロジェクトを地元のグジャラートではじめます。そこでは農家のための種子バンクを作り、OC認証を受けた種を安く提供します。また、水質テストなどの支援もします。綿くり(綿の実から種をとる作業)や綿の種子からオイルを圧搾する施設も併設します。高品質な糸や繊維なども蓄え、1年を通して製品原料を提供できるようになります。農民にも、顧客にも有意義な施設となります。

また、私たちは、輪作で毎年違う植物を育てることを推奨しています。一種類の作物だけを育てると生産期間が短くなったり、土壌が弱くなったりしますが、多種類の作物を順番に育てると土壌が豊かになり生活が安定してきます。そして有機農法に転換してほしいと考えています。アグロセルではそうしてたくさんの野菜、食物を作っているので国内・海外両方から注文を多く受けています。
ハシュムク: 私からもサフィアに質問があります。日本、ヨーロッパでOC製品をもっと売るには、どうしたらいいと思いますか?私たちの支援する農家にもっと仕事を増やすにはどうしたらいいのでしょう?
サフィア: それはプレッシャーですね。私たちPTは日本やヨーロッパでOCを売るためにさまざまな試みをしています。例えばファッション誌「ヴォーグ・ニッポン」で紹介されたように、世界で活躍するデザイナーによるOC製品を作りました。

それから、TOP SHOP(イギリスでチェーン展開しているブランド。日本では東京のラフォーレ原宿内にある)、ユナイテッドアローズなどファッション感度の高いお店に商品を提供できるようになりました。今日はこのイベントに先立ち、アバンティと共同で、OC宣言という決意表明を出しました。これが消費者、農民とともに企業とOC普及団体の協働、連帯のキックオフになり、広がっていくきっかけになるのではないかと思います。

アグロセルとは

インドのオーガニック・コットン生産者組合。インド全域11州に25のサービスセンターを持ち、社会的に立場の弱い小規模農家、約4万5000家族を支援している。

アグロセルの生産者支援は、農業投入物の流通・販売から、生産物のマーケティング支援をはじめとする、無料の農業技術指導や、土地を持たない人びとへの雇用創出プログラムの運営まで、幅広くかつ包括的に提供されている。

また、オーガニック・コットン生産者個人を支援するだけでなく、学校の水道設備の建設、女性が収入を得るためのプログラムも実施し、コミュニティ発展の支援も行う。フェアトレードの普及活動にも熱心で、さらに多くの小規模農家を支援できるよう活動の幅を広めている。

綿花を持つ女性 

 

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