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オーガニック・コットン・シンポジウム

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ラウンドトーク

司会: ではこれから「オーガニックを着よう!」というキャンペーンを はじめるにあたって、どうOCを広めていくのかということについて、 各スピーカーにコメントをお願いしたいと思います。

まず渡邊さん、 今までは企業に呼びかけていたが、これからは消費者に 呼びかけていきたいとおっしゃっていましたが、このキャンペーンが そのきっかけになると思いますか?そのためにこれから 何が必要になりますか?
会場の様子
渡邊: 今日が「オーガニックを着よう!」キャンペーンの開始日 だったのですが、これをきっかけにニュートラルな組織や たくさんの会社がみんな手を組んで、消費者にもっとOCを着てもらう 技術革新や、デザイン性の向上、品質の安定に取組み、 消費者に求められるような商品の開発をしていければと考えています。

たとえば、百貨店、量販店、専門店などに、今年12月に「オーガニックを着よう!」 キャンペーンを展開するうように提案していきたい。
認証団体、行政なども一緒にウェーブを作っていきたいと思っています。

共通のロゴを作って、そのロゴを掲げているところは「あ、オーガニックを着よう! キャンペーンをしているのね」と認識されるようになっていければと思います。

司会: では、サフィアにはオーガニックの他に、フェアトレードという側面で生産者を支援していくことについてのコメントをお願いします。
サフィア: そうですね、PTはOCや雑貨をツールとして、発展途上国の農家など貧しい人の自立支援をし、今の世界の経済構造が人と環境を搾取していることに反対しています。

PTはみんなの意識構造に働きかけるための今日のOC宣言や、もっとOCを知ってもらうために、OCのアニメやエコデザインコンペといった小さな動きから初めていきたいと考えています。再来週イギリスで行われるロンドン・ファッション・ウィークでは、新しいデザイナーとのコラボレーション商品をOCで出したいと考えています。

来年のG8サミットが日本でありますが、農家や縫製工場で働く人にとって何がフェアであるかということをみんなに紹介していきたい。
司会: そういった啓発活動という意味では、パタゴニアは非常にスキルを持っていると思います。昨年、OC転換10周年ということでOC啓発をされていましたが、篠さんにそのお話を伺えますか?
篠: 昨年はOC10周年にあたり、OCにフォーカスしたキャンペーンをしました。ウェブやカタログでOCに関するエッセイを出したり、店舗でトークイベントを開催し、その際には渡邊さんにいらしていただいて、なぜOCなのかということをお客さんに訴えたりしました。

もうひとつは、音楽の大きなイベント、ap bank fesのスタッフTシャツにOCのボディを提供して、観客に対してOCを紹介する機会をもらったりしました。

私たちはOCだけを扱っているわけではないので、今年はリサイクルポリエステルやヘンプ、ウールなど環境にできるだけ負荷を与えないe-fiberをもっと着よう!というパンフレットをつくり店頭でプロモーションしています。
司会: 三社は実際にOC商品を開発し、販売しているのですが、一方で生産者の情報をどう伝えていくかということも大事だと思います。ハシュムクさんに、どういったことを日本の消費者に知って欲しいかを伺いたいのですが。
ハシュムク: 生産者情報の伝達は私からもぜひお願いしたと思います。日本の消費者、メディアの方にオーガニックということをぜひ推進して欲しい、支持して欲しいと思います。わたしからも日本でOC製品を製造販売しているスピーカーのみなさんにお聞きしたいのですが、日本でOCをさらに広めるためにどのようなことをされていくのでしょうか?
サフィア: すでにOC宣言について、何人かのクリエイター、歌手、俳優から賛同をもらいました。加藤登紀子さん、Yaeさん、SAKURAさん、女優の中島朋子さん、マエキタミヤコさん、こういったみなさんはエコロジーの心や貧困問題への関心もある方々です。音楽などを通して、もっと身近に感じるOCの提案をしていきたいと思います。
渡邊: アバンティは製品作り以外に、糸、生地をつくって原材料を提供するというビジネスが半分です。もっと多くの消費者に広げていくために、各アパレルメーカーに使ってもらえる、値段が高いけれど納得できる品質とデザイン性をもった生地の開発をしていきたい。そして世界に発信していきたいと思っています。
篠: 渡邊さんがおっしゃってたことと重なるのですが、環境だけでは製品は売れない。デザイン、品質でみなさんに選んでいただける製品をお届けするのが基本だと思います。パタゴニアの場合はアメリカでデザインしていますがそこへ日本の皆さんが興味を持っていただけるようなものをつくるように、日本の声をアメリカにフィードバックするシステムも作っているので、もっともっとみなさんに満足いただける製品作りをしていきます。
サフィア: OCの品質を高めるために、綿農家がしていることはありますか?
ハシュムク: 私たちアグロセルも努力しています。農民への技術支援をして、PTなどと協同してコットンの供給先を確保します。タイムリーに供給できる努力をして、農家の雇用の機会を増やします。

また、「汚染の無いコットン」キャンペーンをしています。原料の生産から製品作りの過程まで、ちょっとしたことで原綿が汚れてしまうことがあるので、全工程で汚染されないよう生産者への教育活動なども行っています。

さらに、インドの伝統的なハーブ、ニームの木を使った自然農薬を作ったり、そのオイルを取ったあとの絞りかすを天然肥料にするなどのプロジェクトを通し、さらに雇用を生み出しています。我々のゴールとして、2010年までに10万エーカーでOCコットンを栽培したいと考えています。それができれば、およそ8万人〜9万人の小規模農家に仕事の供給ができます。

質疑応答(Q&A)

Q:

サフィアさんの「労働力と環境を搾取する経済構造を変えたい」という意見には非常に賛同しますが、現実的には今の経済構造のなかでは難しいのではないかと思います。

それを実現するために企業の戦略としてどう対応しようとお考えですか?啓蒙?消費者への価格上乗せですか?それとも拡大をあきらめるのでしょうか?

サフィア: 成功しているビジネスモデルを見せていかないと変わらないと思います。小さな生産者団体でも長年技術指導などを重ねてファッション性を高めていくことができます。同時に、市場を拡大していくPR活動、商品の魅力を紹介して広めていきたいです。

最近、ヨーロッパでは、OCやフェアトレードの基準を事業者と政府で一緒に作っていく動きがあります。例えば、また、ETI(Ethical Trade Initiative)という生産工程での労働環境を守るための基準ですが、そうした基準をもっといいものにしようと行政と一緒に動いています。消費者と同時に、一般の貿易全体を改善していく基準作りなど呼びかけをしています。
Q: 今回のOC宣言にある、2010年までにOCの使用量2倍とはPTとAVANTIの使用量ですか?
渡邊: 両社で現在、1,800ベールですが、これをわれわれとして2倍にしていきたいのです。そして参加企業が増えたらそれも含めていきたい。
質問者: 消費者として具体的な数字が出るといいと思います(Tシャツだと何枚など)。そうすると参加しやすくなります。
Q: 今回の3社、OC認定機関がちがうと認識しています。食品では認定機関が違うのがややこしい問題になっています。OCにおいて、認定機関が違うことで差が出てくるのでしょうか?
サフィア: GOTS(Global Organic Textile Standard)、イギリスのSoil Association、アメリカの機関などがありますが、すべてGOTSの国際基準にしたがって動いています。畑から物流にいたるまですべてオーガニックであるという基準はGOTSの基準に従っているので混乱はないと思います。
渡邊: JOCAの理事長と4年間にわたりGOTSの基準作りに携わっています。大変でしたが、グローバルに一つの基準を作っていった方がいいと思い動いています。ただ、まだ完全に施行してはいません。

各国の認証団体の基準は多少違いますが、それでいいのではないかと思います。各国ごとに気候も違うし、これでなければ駄目だというと、なかなかモノができない。幅を持ちながら、環境に負荷を与えない方法を選択すればいいと思います。
Q: アメリカのコットン補助金に問題があることにも触れられていたが、環境には良くてもアバンティやパタゴニアのようにアメリカ産OCを扱うということがいいことなのかどうかを知りたいです。アメリカのコットンがインドのコットン農家に安い労働力を強いているのではないかという疑問を持ちますが、それについてどう考えるか伺いたい。
篠: パタゴニアはアメリカ以外のコットンも使っています。アメリカのOC栽培は伸びていません。インドやトルコのOCの方が増えています。ナイキの5%ブレンドなど、さまざまな品質のコットンが使われる可能性は増えているのではないかと思います。回答になっていないのですが・・・。
渡邊: とっても難しい質問ですね。アバンティは、主にテキサスから輸入しています。アメリカでの生産量は実際減っており、テキサスOCの確保は難しくなっています。アバンティは1993年から輸入しているので、確保できているのですが。

私は、申し訳ないことにアメリカの政策がインドなどの国に影響を及ぼしているということをあまり気にかけていませんでした。ただ、少なくとも、インドなどからみるとアメリカのOCは価格が高いんですね。だから、一概に比較してというよりも、もっとOCの長期的に生産されること、それを長く農家に保証していくということが大事だと考えています。
司会 アメリカで補助金を受けているのは大規模農家で小規模農家は受けていません。アバンティさんのテキサスの取引先は補助金は受けてないんじゃないでしょうか?
渡邊: テキサスの農家は日本の農家と同じように、非常に小規模の家族経営です。そういう補助金を受けていると言う事実を聞いたことはありません。
サフィア: アメリカのOC農家が補助金をもらえるならいいことだと思います。通常のコットン栽培の農家たちが補助金をもらえるのが問題です。

2005年の12月、香港でWTOの閣僚会議が開かれた際に、IFATでオーガニック・コットンについてポジション・ペーパーを出し、ファッション・ショーを企画しました。新聞では一面に載りましたが、残念ながらWTO交渉に対する効果は十分ではありませんでした。環境や生産者を大事にして、総合的なキャンペーンを長く続けていかなくてはと考えています。

でもテキサスのOC農家の人たちが、インドのOC農家の競争相手とは思っていません。逆にネットワークを作って同じ問題や情報について解決していくべきだと思います。
ハシュムク: 私も政府の補助金のせいで捻じ曲がった競争が起こるのは好ましくないと思っています。自然の力を借りて、製品の力をつけていき、どのように品質が高いものができるか、競争力がをつけられるかが重要だと思っています。そういった技術訓練と意識向上が重要です。品質の高いものができれば、顧客満足が得られ、市場価格にも左右されません。化学肥料などを使わなければ少ないコストですむので、経済的にも安定していくことができます。
インドで私たちは農民自身による組織8つの運営を支援しています。そこではお互いの技術やOCへ転換する際の実例など、情報のシェアをしています。農民自身が支えあうことで、国際的な競争力も高めていきたいし、高品質なコットンを作っていきたいと考えています。
司会: こうしてOC生産者との連帯、企業同士の連携、消費者との連携を合わせて、「オーガニックを着よう!」を広めていけたらと思います。今日はご参加ありがとうございました。

 

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